堀幸一選手（元）

　僕はロッテファンです。
関西人なのに？
ってよく言われる。
スタートは簡単。
親が買ってくれた帽子がロッテだったから。
「なんだか綺麗な帽子だったのよ」
って言ってた。
そこからだった。
常にロッテは個人商店みたいなチームだった。
強くないチーム。
でも常に個性的な選手が一人いてその選手が見せて楽しませてくれた。
村田兆時・落合博光・高沢秀明・伊良部秀樹・小宮山悟etc・・・。
常にスターがいた。
いや、スターが一人輝いて頑張っているチームの印象だった。

今はどうだろう。
今年はパリーグ３位からの大逆転優勝を果たし（これを優勝と言うのかは不明だが）、チーム力の勝利と言われている。
なんだか凄いな。
こんなに変わるのか。
嬉しいような寂しいような。
昔からのファンはそんなものかもしれない。

突然、セカンドのポジションを上川から奪い取った堀幸一。
僕は嫌いだった。
目立たない、長打力もない、足もさして速くない上川選手の地味さが幼心に好きだった僕は突然よくわからない堀選手に「なんだよう、こいつは！」
って思っていた。
事実、野球ゲームをすると堀選手を引っ込めて上川選手を使っていた（笑）。
しかしだんだん目立つようになった堀選手。
足が早く長打力がある。
そして右打ちがうまい。
バレンタイン体制になってセカンドのポジションを西岡剛とレギュラーを奪い合ったときは痺れたな。

その選手が去年の暮、ひっそりと引退していた。
いや、最後までもがいたようだ。
トライアウトまで受けたらしい。
歳を聞いたら４１歳。
どこも受けてはないだろう。野球界では大ベテラン選手。
何か奇跡を起こさなければ・・・。

ちょっとビデオを見ると、その堀選手がトライアウトでホームランを打っていた。
最後まで奇跡を信じていた打球だったのだろう。
凄い人だ。

そして、奇跡は打球に乗ったが球団の心までは届かなかったらしい。
僕の思い出のロッテの帽子もかぶった選手がいなくなったわけだ。
そう、僕の帽子は「ロッテオリオンズ」。
最後のオリオンズ選手。

お疲れ様でした。
次のステップ頑張ってください。
一人のファンより。
今更ですみません。